ハンの紹介


韓 昌完(ChangWan HAN)

 

概要

韓昌完(ハン チャンワン、1969年~)は、日本と韓国で活躍するヒューマンサービス分野の研究者であり、琉球大学教育学部の教授。医学(障)と経営学のW博士号を持つ。特別支援教育(教育理論、教育経営学、制度・政策、肢体不自由や病弱などの障害学)から高齢者福祉(制度・政策、QOL、総合リハビリテーション)まで、人間のライフサイクルを軸にしたヒューマンサービス分野における幅広い領域を専門とする。

博士後期課程の学位論文でもある『Development of the Korean version of Short-Form 36-Item Health Survey: health related QOL of healthy elderly people and elderly patients in Korea(Han, Lee, Iwaya et al., 2004, The Tohoku journal of experimental medicine, 203(3), 189-194掲載)[impact factor=0.700]』は、現在でも世界中から引用され続けており(※被引用数198回:2019.6時点)、韓国国内においては高齢者のQOL研究の基礎を作った権威として知られる。日本の厚生労働省にあたる韓国保健福祉家族部や、政令指定都市の長の功労表彰を3回受賞。

日本においては、2015年に15年間の様々な分野の調査研究をもとに、『包括的教育を必要とする子(Inclusive Needs Child; IN-Child)』を定義し、教育現場で「気になる子」や「発達障害」という言葉の独り歩きで広がる間違った認識を正すべく、「IN-Childプロジェクト」を立ち上げる。

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人物・略歴

1969年に韓国春川市で、2人兄弟の長男として生まれた。

1997年、京都旅行で訪れた同志社大学の歴史と学風に魅了され、その2年後同志社大学へ語学留学(1999~2000)を果たし、20か国以上の国から来た多くの留学生の中でもトップの成績で「成績優秀奨学生」として修了。その後、日本での大学院進学のために方々に送った手紙に対して親身になって相談に乗ってくださった当時の東北大学教授の人格と学問に感銘を受け、宮城県仙台市に移住。東北大学医学部の研究生(2000~2001)を経て、同大学大学院医学系研究科の肢体不自由学講座(博士前期課程)(2001~2003)を修了し、同研究科内部障害学講座(博士後期課程)(2003~2005)にて上月正博教授に師事し博士号(医博(障)第88号)を取得。

2002年、日本の視察に訪れた韓国又松大学(Woosong University)の総長に指導力・研究力を見出され、翌年から韓国に戻り又松大学保健福祉学部医療社会福祉学科の専任講師(2003~2006年)、助教授(2007~2010)として教壇に立つ。韓国と日本の往復で、愛媛県の聖カタリナ大学の人間健康福祉学部の非常勤講師(2009~2011)や東北大学大学院医学系研究科の非常勤講師(2009、2011~2012)をしながら、東北大学大学院経済学研究科の医療福祉講座博士後期課程(2009~2011)に入学。その後、韓国を離れて佐賀大学高等教育開発センターの特任講師(2010~2012)として佐賀県に移り住み、博士後期課程を修了し2つ目の博士号(経博(経営学)第84号)を取得する。W博士号を持って、沖縄県の琉球大学教育学部特別支援教育専攻に准教授(2012~2017)として赴任し、現在では同専攻教授(2017~)となる。

「IN-Childプロジェクト」の研究代表者であり、塩野義製薬株式会社との共同研究(2017~2020)では、県の垣根を超えた教育プログラムとして日本各地で講演会や研修会を行っている。プロジェクトでの成功事例を書籍化し、『その子、発達障害ではありません IN-Childの奇跡』を出版(さくら舎)(第七刷:2019.6現在)。

 

一般社団法人アジアヒューマンサービス学会(Asian Society of Human Services)の理事、一般社団法人日本LD学会の特別支援教育士スーパーバイザー(Special Educational Needs Specialist Supervisor):S.E.N.S-SV、一般財団法人HAN研究財団の代表理事。KOCON(The Korea Contents Association)の理事及び編集委員、韓国社会政策学会の理事、韓国社会サービス学会の理事。

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著書

  • 韓昌完. 神経精神医学論. 297 pp, ホミ出版社, 2009.5  ISBN: 978-89-91479-29-6
  • 韓昌完・小原愛子. インクルーシブとQOLを考える肢体不自由教育, 111 pp, Asian Society of Human Services 出版部, 2014.8  ISBN: 978-4-908023-00-2
  • 韓昌完. その子、発達障害ではありません IN-Childの奇跡. 255 pp, さくら舎, 2019.2 ISBN: 978-4-86581-185-8(第七刷)

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研究費獲得実績

  • 2004-2009 老人福祉シルバー産業専門人力養成事業(大型プロジェクト ※日本円で3.5億円/年). 代表.
  • 2011-2014 科学研究費助成事業. (代表)北川慶子(分担)新井康平・韓昌完・高山忠雄・永家忠司. 生活を重視した安全な避難方法と避難生活リハビリプログラムによる被災者生活復帰支援(研究課題:23330177):基盤研究(B)
  • 2015-2018 科学研究費助成事業. (代表)韓昌完(分担)上月正博. 特別支援教育成果評価尺度(SNEAT)の開発と授業成果評価モデルの構築(研究課題:15K04567):基盤研究(C) 
  • 2016-2018 科学研究費助成事業. (代表)田中敦士(分担)奥住秀之・韓昌完. 特別支援教育支援員配置によるインクルーシブ教育推進成果評価尺度の標準化(研究課題:16K04838):基盤研究(C)
  • 2017-2020  IN-Childの教育的診断と支援システムの構築. 塩野義製薬株式会社と琉球大学共同研究 研究代表.
  • 2019-2021 科学研究費助成事業. 韓昌完. 教育成果評価のための新しいQOL尺度の開発(研究課題19K02400):基盤研究(C) 

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関連項目

QOL、ヒューマンサービス、特別支援教育、障害者・高齢者福祉、政策科学

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